失業保険の受給資格(特定理由離職者)とは?

失業保険の受給資格(特定理由離職者編)
前回は会社都合退職は失業保険が優遇されるというお話をしてきました。
しかし、自己都合退職でもケースによっては会社都合に近い待遇で失業保険は労働者の生活を救済してくれます。
今回はその救済策についてお伝えできればと思います。

□失業保険の受給資格は結局ハローワークの判断

まず、最初に言っておかなければならないことは、失業保険の受給資格はハローワークが離職者の状況を見て総合的に判断するということです。
私も退職時にいろいろな情報を集めたことがありますが、わからないことはすべてハローワークの職員さんに聞きました。
やはりそれが一番安全で確実です。
ですので、自分で集めた情報で勝手に動くのではなく、一番はハローワークの職員さんに聞きながら進めることが大事です。
ハローワークに提出する書類もわからないまま迷って記入するのではなく、白紙のままハローワークに持っていけばいいのです。
大丈夫!
ハローワークの職員さんは丁寧に教えてくれますよ(*^_^*)
次にご紹介する離職票などは、一度記入したら訂正するのに大変苦労すると思いますので、まずはハローワークでご相談くださいね!

□失業保険の受給資格に大きく影響を与える決定的要因

話はかわりますが、法律(労基法)上は確かに労働者と会社(事業者)の立場は対等である、「労使対等の原則)を規定しています。
しかし、いまだ日本の労働者は最近の悲しいニュースのように、奉公精神といった主従関係をぬぐい切れていません。
もちろん、私もその一人に含まれると思っています。
退職願には一身上の都合と書いたものの、これからの生活に困窮することが目に見えるとお困りの方もいらっしゃるかと思います。
まずここは、退職願に書いた「一身上の都合」がどうハローワークに伝わるのか。
それがどう失業保険の受給資格に関わっているのか。
を解説しておきます。

■失業保険の受給資格の重要な判断材料【離職票】

いま、退職をお考えの人は退職時に出される書類をみたことがないかもしれません。
離職票は1と2の2種類あります。
離職票―1には雇用保険の情報や失業保険(基本手当)の受取口座を記載があります。
離職票―2は裏表があり、表には離職日以前の賃金支払い情報などを記入する欄があります。
そして、裏には離職理由を記入するを記入する欄の記載があります。
ここまで書けばお気づきの方がいると思いますが、失業保険の受給資格決定にはこの離職票―2の裏面が大きく影響します。

■離職票―2の裏面に書いているものが退職の理由となる

離職票―2裏面の上部には離職理由が箇条書きで記載されており、事業主・離職者ともそこから選択するようになっています。
そしてその欄の下に、具体的事情記載欄(事業主用)と具体的事情記載欄(離職者用)という記入欄があります。
この箇条書きの部分が「労働者の判断によるもの」等にチェックがされている場合や、具体的事情記載欄事業主用のところに「一身上の都合」の類の記載があった場合、まずは「自己都合退職」とハローワークは判断します。
(記入は会社によって様々なのでちゃんと確認しましょう)
それじゃ、会社(事業主)のいったとおりにしかなんないじゃん!とあきらめるなかれ。
ちゃんと離職者の記入する欄もあります。
私はどう記入したらよいのかわからなかったため、手続きの際には記入せず持っていきました。
どう記入するかは、人によって違うので記入せずハローワークへ持込み、指示に従うことが最善です。

■退職に至った事情はちゃんと言おう!

会社と離職した本人の退職理由が食い違っている。
これはみなさんが思ってる以上にあるんです。
そんな時はあきらめずにちゃんと職員さんに話しましょう!
事情によりごく希にハローワークから会社に連絡して、事実確認をすることもあるようです。
本当に希ですが、もうやめてしまった会社に遠慮しても何にもなりません。
労働者に不利なことは何もないと割り切ってちゃんと自分の事情を話しましょう!

□失業保険の受給資格:特定理由離職者

事情を話したうえで、自己都合退職でありながらやむを得ない理由で退職したと判断されると、会社都合退職に近い優遇を受けることができます。
それは、
特定理由離職者
と呼ばれます。
特定理由離職者に認定された場合、3ヶ月の給付制限もなくなりますし、失業保険の受給資格条件も会社都合退職と同様に例外規定も適用されます。
渡りに船の救済措置ですが、特定理由離職者とハローワークに認定されるには「正当な(退職するに至った)やむを得ない理由」を証明することが必要となります。

■特定理由離職者の範囲

特定理由離職者となる離職理由の範囲は次のとおりです。
【特定理由離職者1】
○有期雇用契約が満了し、かつ(更新を希望したが)その労働契約が更新されなかった
【特定理由離職者2】
体力が不足・心身の障害・病気やケガなどにより業務遂行が困難になって離職
○妊娠・出産の理由で離職し、かつ雇用保険の受給期間延長措置を受けた
○父母が死亡、病気やケガのため介護をする必要がでて離職(家庭の事情が急変した)
○配偶者や扶養するべき親族と別居生活を続けることが困難になって離職
○以下の理由によって会社への通勤が困難になり離職
・結婚に伴う住所変更で通勤が困難
・育児に伴う保育所や保育施設の利用または親族などへの保育の依頼が困難
・会社事業所が通勤てきない場所へ移転し通勤が困難
・自己の意志に反しての住所又は別居の移転を余儀なくされた
・鉄道・バスその他の運輸機関の廃止または運行時間の変更等で通勤が困難
・会社の命令による転勤または出向による別居を回避するため離職
・配偶者の会社による転勤や出稿、または配偶者の再就職に伴った別居を回避するため離職
○ 会社のリストラ(組織再編)などで、希望退職の募集に応じて退職
なお、以下の方は特定受給資格者と同等の給付日数となります。
【特定受給資格者と同等の給付日数なる範囲】
○【特定理由離職者1】にあたる方
※平成34年3月31日まで離職された方が対象となる、暫定措置です。
困った人をより一層手厚く救済してくれますね。(*^_^*)

■「正当なやむを得ない理由」を証明するには

特定理由離職者という受給資格者に認定されるには、その理由を証明する必要があります。
これも理由ににより提出する書類が違うので一概には言えません。
私が特定理由離職者と認定された時はかかりつけの病院の診断書を提出しました。
※診断書の料金は自費でした。
その診断書と私の説明した退職理由が、「心身の障害」にあたるとハローワークが認めてくれたため、特定理由離職者となったのです。
必要な書類は、ご自身の事情をハローワークに相談した際に職員さんが教えてくれますよ(^_^)
さて、今回は失業保険の受給資格:特定理由離職者についてご紹介しました。
次回は自己都合退職の会社都合化についてお伝えできればと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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